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オストマルク()は、10世紀から12世紀にかけて神聖ローマ帝国にあった辺境伯領である。オストマルクという語はラテン語の''marchia Orientalis''からきており、もともとはザクセン公領の東に設けられた辺境伯領と、バイエルン公領の東側に設けられたのちのオーストリア辺境伯領の両方を指した。 ザクセンのオストマルクは、965年のゲロの死後、その広大な領土ゲロ辺境伯領が分割された際に成立した。ゲロは嗣子なく没したため、その領土はエルベ川とオーデル川に挟まれたノルトマルクと、現在のザクセン州にほぼ当たるザーレ川とボーブル川に挟まれた南側の領域のオストマルクとに分割された。皇帝オットー1世はゲロの甥のオドー1世をオストマルク辺境伯に任命した。 同時にオストマルクの南側半分の領域にはマイセン辺境伯領、メルゼブルク辺境伯領、ツァイツ辺境伯領が設けられた。マイセン辺境伯にはゲロの甥でオドー1世の兄ティートマール1世が後に任ぜられた。オドー1世の跡を継いだ兄ティートマール1世の子ゲロ2世は、1002年に辺境伯領の東側部分をポーランド王ボレスワフ1世に奪われたが、1031年にはボレスワフの子ミェシュコ2世により皇帝コンラート2世に返還された。1046年、ヴェッティン家のデード1世がこの地を獲得し、さらに1089年には息子のハインリヒ1世がマイセン辺境伯領を皇帝ハインリヒ4世から与えられた。こうして両方の辺境伯ともヴェッティン家の支配下に入り、これらは後のザクセン選帝侯領の中心となっていった。 領とラウジッツ辺境伯領がオストマルクから分かれて成立し、1123年に残りの地はマイセン辺境伯領に統合された。最後にオストマルクとラウジッツが別々にあらわれるのは、オストマルクについてはこの地がグロイチェ伯ハインリヒに与えられた1128年であり、ラウジッツにおいては独立して存在していたことが確認できる1131年までである。グロイチェ伯ハインリヒはオストマルクを保持しつづけることができず、1136年までにはこの地はヴェッティン家のコンラート1世に戻された。ヴェッティン家の領土は分割を繰り返したが、そのほとんどは同家のエルネスティン系が領した。 オスターラントという地域名が、現在もこの辺境伯領の中心をなした地域を示す語として用いられている。オストマルクの境界はたびたび変わったが、現在ではおよそザーレ川とムルデ川に挟まれた領域としてこの語が用いられている。 == オストマルク辺境伯 == 辺境伯は、皇帝の監督下において、国境およびその周辺地区の統治と防衛を委任される。 * クリスティアン (Christian) ? – 871年頃 * ディートマール (Dietmar) ? – 892年頃 * クリスティアン (Christian) ? * ゲロ 937/41年 – 965年5月20日 ;ガウ=ゼリムント伯家 * ホドー1世(オドー1世) 965年 – 993年、ゲロの甥 * ゲロ2世 993年 – 1015年、オドー1世の甥、ティートマール1世の子 * ティートマール2世 1015年 – 1029/30年 * ホドー2世(オドー2世) 1029年 – 1031/34年 ;ピャスト家 * ボレスワフ1世 1002年 – 1025年 * ミェシュコ2世ランベルト 1025年 – 1031年 ;ヴェッティン家 * ディートリヒ2世 1031/2/4年 – 1034年11月19日 ;エッケハルディン家 * エッケハルト2世 1034年 – 1046年2月24日 ;ヴェッティン家 * デード1世 1046年 – 1069年、ディートリヒ2世の子でティートマール2世の娘婿 * デード2世 1069年 – 1069年 * デード1世 1069年5月2日 – 1075年10月 ;プシェミスル家 * ヴラティスラフ2世 1075年 – 1081/6年 ;ヴェッティン家 * ハインリヒ1世 1081/6年 – 1103年 * ハインリヒ2世 1103年 – 1123年 ;グロイチュ伯家 * ヴィプレヒト2世 1123年 – 1124年 ;アスカーニエン家 * アルブレヒト(熊公) 1123年 – 1128年 ;グロイチュ伯家 * ハインリヒ 1128年 – 1135年12月31日 ;ヴェッティン家 * コンラート1世 1136年 – 1156年11月30日 * ディートリヒ 1156年 – 1185年 * デード3世 1185年 – 1190年 * コンラート2世 1190年 – 1210年 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「オストマルク (ザクセン)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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